国際ジャーナリスト 大野和基
著書・訳書

月刊PLAYBOY 2006年3月号
ロバート・ベア/Robert Baer
元CIA工作員ロバート・ベアが語る
映画『シリアナ』の真実


ロバート・ベア 「まさか自分が書いた本がきっかけで映画ができるとは夢にも思わなかった」

アメリカとメキシコの麻薬コネクションを描いた映画『トラフィック』の製作チームが、今度は中東の石油産業の内幕を、まるで彼らをつぶさに俯瞰ででも観ているかのように描いた。映画をつくる発端となったのは、元CIA工作員ロバート・ベアが書いた『CIAは何をしていた?』という一冊の本。

当初から映画製作に関わったベアに、映画『シリアナ』の真実を語ってもらった。



映画の登場人物はギャガンが実際に会った人々

「まさか自分が書いた本がきっかけで映画ができるとは夢にも思わなかった」
元CIAケースオフィサー(直接雇われている工作員)で中東に長期赴任していたロバート・ベアは、開口一番そう言った。ペアとは何度も会っているが、今回はコロラド州ロッキー山脈の山中にある人口550人ほどのこぢんまりした町の自宅で会った。そこでベアはいまスキー三昧の日々を送っている。

ベアが、映画監督のスティーブン・ギャガンから連絡を受けたのは、「CIAは何をしていた?」(新潮社刊)が出てまもない2002年の夏頃だった。サンタモニカのレストランに招待されたベアは、そこで中東に赴任していた頃の事を2時間ばかり話した。ギャガンはベアの話に夢中になり、すっかり魅了された。

ベアは当時、娘(映画では息子になっている)をニースのボーディング・スクール(全寮制学校)に連れて行かなければならなかった。そこでギャガンにこんな提案をしたのだ。

「中東の石油産業に関与している輩は、夏になるとみんな南仏で過ごすんだ。そこに行けば、石油産業を裏で繰っているやつにも会える。何なら紹介してあげるよ。何を訊いてもいい」
ギャガンは二つ返事でOKした。
南仏でギャガンに紹介した人のほとんどは、ベアがCIAで工作員をしているときに知り合った人物だが、中には誰も本当の名前を知らない億万長者もいた。その人物は、関係者に“裏取引専門家”と呼ばれていたが、チャリティーに数百万ドルの寄付をする偽善者でもあった。

ギャガンは、彼から石油業界がどのように動いているかを詳しく学んだ。実際にブラックマンデーにかかわったテロリストもいた。彼はなぜテロリストになったのか、どういうマインドを持っているのか、といった普通では知り得ないテロリストの内面を覗くこともできた。







CIAは何をしていた? The Company We Keep
シリアナ [DVD]
ジョージ・クルーニー (出演)
マット・デイモン (出演)
スティーブン・ギャガン (脚本)
CIAは何をしていた?
(新潮文庫)
ロバート ベア (著)
佐々田雅子 (翻訳)
新潮社
2005/12
The Company We Keep
: A Husband-and-Wife
 True-Life Spy Story
 [Kindle版]

Robert Baer (著)
Dayna Baer (著)
Crown
2011/3/8
英語を駆使し、世界のVIPや渦中の人物の懐に飛び込み、ナマの情報を得る極秘テクニックを大公開!
スパイ並の情報収集の技法、アポの取り方、キーワードを引き出す話術、そして最も大事な相手との信頼感の構築法などを伝授。常にライバル社との情報戦を繰り広げるビジネスマンから、将来世界を舞台に活躍したい学生まで、必読・必修のコンテンツが満載。教材は最新の取材映像・音声を利用しますので、リアルな英語力も身につきます!
料金