国際ジャーナリスト 大野和基
著書・訳書

月刊Voice 2011年8月号
ジャック・アタリ/Jacques Attali
フクシマ問題は“原子力の危機”にあらず
いま必要なのは「脱原発」ではなく、より「安全な原発」のイノベーションだ


ジャック・アタリ ミッテラン大統領の側近として大統領特別補佐官を務めたジャック・アタリ氏は、いまでも国家間の政策に関わる交渉に直接関与する、“ヨーロッパを代表する知性”である。近著『国家債務危機』(作品社)のテーマは日本にも関係する喫緊の問題であり、多くの政治家が読んだと報道された。フクシマ問題から原子力発電の行方、世界経済の将来まで、俯瞰的で鋭い洞察力が読み取っているものを、この独占インタビューで明らかにする。


100%の透明性ですべてを公表せよ

- 福島第一原子力発電所の事故について、いま率直に何をお感じになりますか。

アタリ この事故が、日本人にとって悲劇であることはもちろんわかっています。しかしフクシマというとき、唯一重要なことは原発事故であるかのようですが、実際のところ、この危機は地震と津波によって引き起こされたものです。原発事故よりも、地震と津波のほうがより多くの人たちに影響を与えました。何万人もの人が亡くなったにもかかわらず、みなが原発事故だけに焦点を合わせているのです。

何よりもまず地震と津波について私がいいたいのは、海岸に近い都市はリスクが莫大であることを理解しなければならない、ということです。もし今回の災害がもっと南である東京で起きていれば、大惨事になっていた可能性がある。いま東京にとって重要なことは、津波が東京に来たら、どれくらいの惨事になるか、そのシナリオを考えることでしょう。経済と政治すべてがその都市に集中しているのですから。






ジャック・アタリ(経済学者)
1943年生まれ。仏国立行政学院(ENA)卒。81‐90年、ミッテラン政権の大統領特別補佐官を務める。91‐93年、ヨーロッパ復興開発銀行の初代総裁。2007年、サルコジ大統領に依頼され、大統領諮問委員会「アタリ政策委員会」の委員長を務める。


国家債務危機 21世紀の歴史
国家債務危機
―ソブリン・クライシスに、
  いかに対処すべきか?

ジャック・アタリ (著)、林昌宏 (翻訳)
作品社
2011/1/8
21世紀の歴史
―未来の人類から見た世界

ジャック・アタリ (著)、林昌宏 (翻訳)
作品社
2008/8/30
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