国際ジャーナリスト 大野和基
著書・訳書

Weekly AERA  2012年3月5日号
遺伝子解析や代替医療も採り入れる
世界最先端のがん治療

ダルビッシュの移籍先の本拠地であるテキサスには、全米一のがんセンターがある。
巨大さと先端的な研究で注目されるが、いったいどんな治療が行われているのか。


米テキサス州ヒューストンにあるテキサス州立大学MDアンダーソン・がんセンターは昨年創立70年を迎えた。70年にも及ぶ歴史で専任の所長を務めたのは、わずか4人。昨年9月に4代目所長に就任したロナルド・デピーノ氏は開口一番、意気軒昂に語った。

「がん医療の歴史において、今はまさにターニングポイント。革命と言ってもいい。何百年か経って振り返ったときに、今がマイルストーンとして歴史に残ることは間違いない」

デピーノ氏によると、がんという病をかなりの精度で、根本的なレベルで解明できるようになったのはこの2年だという。

彼は世界に名高いハーバード大学医学部ダナ・ファーバーがん研究所での14年間の研究生活を経て、この地位に就いた。就任と同時にハーバード大学から55人の医師らをリクルートし、Institute for Applied Cancer Scienceを設立。精鋭部隊だ。

「これだけの規模と才能を備えた機関のトップであるということは、世界のがんの研究・治療でもっとも影響力があるということです」

遺伝子解析の進歩で右の航空写真でもわかるように、センターは巨大だ。総合病院ではなく、ビルのすべてががん専門棟である。ビルの間を十数人用電動カートがひっきりなしに走り、患者を移動させている。一歩足を踏み入れた瞬間、自分のいる場所がわからなくなってしまうほどのスケール感だ。

スタッフ1万9千人のうち医師は1500人。年間来院する患者は10万人を超え、治験プログラムに入っている患者数は約1万1千人。プロトコール(治験計画)数は4800。元患者のボランティアは3千人もいる。

「このセンターががん医療で10年以上No.1にランクされているのは、規模だけではなく、リサーチ主導の医療だから。私がここに来た19年前はがん医療はもっと個人プレーだったが、その時代は終わりつつある。全員野球をしないと、追いつかない」

そう語るのはセンターの乳がん部門の上野直人氏である。
「ここの症例は他のセンターと比べると圧倒的に多い。だが、ただ数が多いだけではない。各医師のエビデンス(科学的根拠)を求める情熱も非常に高い」






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